七草粥(ななくさがゆ)といえば、私の地域では「食べたら一年間は風邪をひかない」というありえないほどの効果が期待できるスーパー食べ物とされています。
本当に一年間も風邪をひかないのか?と言われると、食べた翌日に高熱を出した私の口からは言えませんが、どうでしょうか(笑)
今回は、七草粥の由来から、7つある草の意味や効果効能、それにいつ食べるのがベストなのか?ということをお伝えしていきたいと思います。
七草粥の由来とは?
七草粥は、元々「五節句」の1つである「人日(じんじつ)節句」という行事として江戸時代から親しまれてきました。
五節句とは、唐時代の中国から伝わる季節の変わり目に行う行事のことです。暦の中で奇数の重なる日の邪気払いとして中国の文化と日本の文化が合わさり季節の変わり目に宴会をするようになったとされています。その時々で旬な食材を使用し、植物から生命力をもらい、邪気を払おうという目的があるそうです。
■五節句
〇1月7日
人日の節句(じんじつのせっく)
〇3月3日
上巳の節句(じょうしのせっく)
〇5月5日
端午の節句(たんごのせっく)
〇7月7日
七夕の節句(しちせきのせっく)
〇9月9日
重陽の節句(ちょうようのせっく)
この五節句の中の人日(じんじつ)の節句が別名「七草の節句」ということで、七草粥を食べて無病息災を願う行事ですね。
この五節句という行事は明治6年に廃止とされていますが、今なお、その行事というのは大切に受け継がれていると思います。
七草粥はどんな意味があるのか?
私の暮らす地域では、七草粥を食べたら「1年間は風邪をひかない」というメリットがあるとされていましたが、本当はどういう意味があるのでしょうか?
本来の意味としては、一年の豊作と無病息災です。その年に初めてとれた植物から生命力をいただき、今年も病気をせずに一年を過ごせますようにという意味と豊作に恵まれますようにという意味が込められているそうです。
1年間は風邪をひかないではありませんでした(笑)
また、明治時代に官吏(かんり)といわれる役人の昇進を1月7日に決めたことから、1月7日の朝に食べて立身出世を願ったともいわれています。(官吏とは、現在でいう国家公務員のことである)
七草の種類
■芹(せり)
せりにはいろんな効果効能があります。
食欲増進、整腸作用、利尿作用
解熱効果、血圧降下作用など
■薺(なずな)
なずなにもいろんな効能があります。
利尿作用、解毒作用、止血作用
むくみ緩和など
■御形(ごぎょう)
ごぎょうは母子草です。
のどに効くとされており、
タンやセキに効果があります。
■繁縷(はこべら)
はこべらは昔から
腹痛薬として使用されており
胃炎に効果があります。
■仏の座(ほとけのざ)
ほとけのざは
食欲増進や歯痛にも効果あり
胃を健康にします
■菘(すずな)
すずなはカブのことです
消化を促進してくれます。
胃腸を整えてくれます。
■蘿蔔(すずしろ)
すずしろは大根のことです。
美肌効果や、風邪予防に
最適だとされています。
七草の覚え方
「セリ、ナズナ、、、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、、、スズナ、スズシロ、これぞ七草!」
覚えれましたか?
七草粥はいつ食べるのがベストなの?
これはもう答えが出ちゃってますが、正解は1月7日に食べるです。理由としては人日の節句の一環として七草粥を食べていたからです。なのでベストな日がいつか?と言われたら1月7日となります。
しかし、現在では五節句は廃止されていますので、必ず1月7日に合わせる必要はないと思います。
現在までこの風習が残っている意味としては無病息災を願うというよりは、やはり正月料理の食べ過ぎで疲れた胃をやすめるといった意味合いに変わってきていて、それが理由で残っているのかなと思います。
なので、1月7日でなくても仕事始めが1月5日なら、その日に食べて、正月疲れをリセットしつつ新年の仕事始めをスタートしてもいいのではと思います。
上にも書きましたが、それぞれの草の効能をみると、確かに疲れた胃をやすめるぐらいのポテンシャルはありそうですね(笑)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
意外と知らない七草粥の由来や効果効能をまとめました。しかし、昔の人が考えることはすばらしいですね。
味はともかく、栄養満点な七草粥。今年も七草粥を食べて元気よく正月明けをスタートしたいですね!